ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリーの世界



the world roots music library no sekai
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ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリーを中心に紹介しているサイトです。

ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリーCDシリーズは、民族音楽のシリーズとしては国内最大の150タイトル。世界最強の民族音楽シリーズです。
坂本龍一をはじめとするワールドミュージックに造詣の深い著名人が推薦しています。

人類の共通遺産として次世代に

坂本龍一

最近のDNAの分析によると、人類は約6万年前にとても少ない集団で、東アフリカを出たそうです。ぼくはいつもその頃の人たちが、どんな唄を歌い、どんな音楽を楽しんでいたのか想像します。そして、その人たち――つまり私たちの共通の祖先ですが――の音楽の痕跡がどこかにまだ残ってはいやしないかと、あちこち嗅ぎまわります。もちろんぼくが生きてきたたった数十年という歳月を眺めても、世界の音楽は大きく変化してきましたから、それに比べると6万年とは気が遠くなるほど長い時間であり、そんな遠い過去の痕跡なんかあるはずがない、と思う方もいるでしょう。どちらにしろ調べようがないことですので、ぼくはこの想像を楽しむ権利をこれからも行使することにします。

6万年という時間の中で、その人口の増大と生息圏の拡大につれて、人類の言語や文化がおどろくほど多様化したように、その音楽も世界のあちこちで多彩な花を咲かせました。まさに百花繚乱です。その中には、先祖たちが何十何百世代も大事に受け継ぎ、発展させてきた音楽もあるでしょう。空気の振動という、形に残らない音楽だからこそ、極めて注意深く誠心誠意守ってきたのです。

ところが20世紀に始まったメディアの発達と急速なグローバル化のせいで、その多様性が急速に世界から失われつつあるのは、こと音楽だけでなく言語や伝統的民俗文化も同じです。この百年だけでも数千の言語が失われたとも言われます。音楽はどうでしょう。研究者に発見されず、登録されないまま失われた唄や音楽も、数知れずあるかもしれません。ぼくたちは、このような世界の多様な音楽を、これ以上失うわけにはいきません。それだけでなく、一度失われそうになったアイヌ語やゲール語が復活しつつあるように、なんとかそれらがこれからも人類の共通遺産として次世代に受け継がれることを、せつに願うものです。


精神的上戸 酒と音楽の楽しい関係

星川京児

音を楽しむから音楽。ということは音を聴くことに、なんらかの快感があるということでしょう。似たものを探すとすれば、ランナーズ・ハイなど、肉体的な昂揚感が挙げられるかもしれません。どちらも運動、継起的変化による時間芸術の仲間ですから。この生理的快感に関しては同じ芸術でも絵画や彫刻ではちょっと難しい。感動の意味合いが空間芸術と、時間芸術では異なるのです。
ところが、同じような効果を得るものとして、酒があります。どちらも、脳を喜ばせるもので、そこがランナーズ・ハイの肉体的高揚感とは一味違うところかも。
というか、補完的な関係にあると言い換えても良いのかもしれません。音で精神を休ませ、酒で肉体を解放する。逆に、酒で身体を解してから、音楽でマッサージ。どちらにしても、巧く噛み合った時の効果たるや大変なものです。だって、酷い音楽を聴くと、酒もてきめんに不味くなりますし、その逆も真。
古来より、酒のあるところに歌があり、歌舞音曲に酒は付き物でした。最初は豊穣を祈り、天変地異を避けるべく、神に奉じたものが、そのうちどっちが主役か判らなくなる。
  酒を禁じるイスラームだって、天国に行けば酒の小川が流れるといわれるのですから。キリスト教にワインは欠かせませんし、ユダヤもそう。ヒンドゥーには神酒ソーマがあり、我が神道ではその名も御神酒。きっと神様も酒好きなんでしょう。
たとえ、肉体的には酒を受け付けなくとも、精神的上戸であれば楽しみは同じです。そんな原初の追体験が出来るのも、また民族音楽の楽しみなのですから。

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